初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
1.嵐の始まり
嵐は突然やってくる。
定時で仕事を終わらせ、家に帰って来た私に嵐がやってきた。
「千夏、お見合いしない?」
…はい?
お母さん今何とおっしゃいました?
幻聴でなければ、信じられない言葉が聞こえてきましたが。
黙ったままお母さんを見れば、ニコニコといつもの笑顔で立っている。
うん、いつも通りのお母さんだ。
きっとさっきのあれは、私が疲れていたせいで聞こえたのだ。
そう思い込み、お母さんの横を通り過ぎてリビングへ行こうとしたが、がしっと母に手首を掴まれてしまった。
「今週の日曜日は空けておいてね」
「え⁉︎何で⁉︎」
「だから、お見合いって言ったでしょう?聞いてなかったの?」
あれは幻聴ではなかったんかい!
…って!今はそんなツッコミをいれている場合ではない。
今の私にお見合いをする気なんてさらさらないし、そんな気持ちで会うなんて相手に失礼だろう。
ここは断るしかない。
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