秘め恋*story4~病室で…~
*story4

~病室で…~






「こんにちは。」



「あ、美奈ちゃん。今日は一番よ。」



「やった。ラッキ~♪」




見慣れた受付に顔を出すと、すっかり顔なじみの大下さんがにっこり笑って診察券を受け取った。




ここは町の小さな個人病院。




市街に出るともっと大きな大学病院があったりするけど、お年寄りだったり、小さい子をもつお母さん達は、便利のいいこの病院を使っている。




そんな私も小さな頃から、
この『倉内病院』に通っている。




あ、私、村山 美奈(ムラヤマ ミナ)。20歳。
普通の女子大生です。




といっても、普通の子よりはちょっぴし体が弱いんだけどね。




私は、小さい頃から軽い喘息持ちで、よく風邪を引いたり体調を崩したり…この病院には、本当にお世話になってるというわけです。




「美奈ちゃん、成人式どうだった?」




待合室にあるファッション雑誌をパラパラめくっていると、受付の窓から大下さんが顔を出して聞いてきた。




「今年は出席者が多いらしくて、すごい人でしたよ。振り袖だったから、歩きにくくて、大変でしたー。」



「あらー、振り袖いいわねー。
後で、写真見せてね♪」



「はーい。」




大下さんとそう約束したところで、診察室へ呼ばれた。




~~~村山さん、村山美奈さん、
中へお入りください。




ドア越しに聞こえた声。
いつ聞いても、キュンキュンしてしまう
少し低めでよく通る声。




私は、雑誌を閉じると診察室のドアを開けた。
















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