偽り少女。
第一章
キーン コーン カーン コーン

新鮮なチャイムと同時に廊下に鳴り響くスリッパの音

「入学式から遅刻って…!」

長いスカートを邪魔そうに走る少女。優。
今日から中学生です。

指定された教室の前で荒い息を落ち着かせてから教室のドアを開いた。

もうほとんどの席は埋まっており、急いで席を確認しに行った。

席につくと同時に先生が話し始めた。

「みんな、今日から中学生だ。もうすぐ入学式が始まるから出席番号順に廊下に並びなさい。」

机と椅子がガタガタと音を鳴らし皆廊下に並んだ

(今日からほんとに中学生なんだ。)

そんな実感がじわじわと湧いてくる。

すると後ろから声がした

「えっと…。出席番号何番ですか?」

振り返ると身長は低く髪が少し茶色っぽい可愛い女の子がいた。

「あ。えっと、じゅ、15番です」

緊張で噛んでしまい、少し頬を赤らめたがまぁ気にしない

「あ、ありがとう!って事は前か!」

優の前に立ち機嫌の良さそうに話す

(って事はこの子は14番か…。前の席だし仲良くなってみようかな…)

緊張でなかなか声が出せないが、勇気を振り絞り聞いてみる

「あの、名前は…?」

冷たく言い離れると思ったがその予想は大きく違い彼女は笑みで

「あ、竹 桜です!」

「桜ちゃんって言うんやぁ!うちは寺田 優です!」

なんだか片言になりながら頑張って話すと彼女は笑顔で話してくれた

「優って言うんや!これからよろしくなぁ!」

「う、うん!」

入学式そうそう友達ができ、優に笑顔が晴れた体育館の前で一旦止まり、音楽が流れてきた。と同時に皆の足が進んだ

緊張を誤魔化しながら優も足を進めた

体育館の中に入ると、そこにはたくさんの制服を来た2.3年生とステージの上で演奏している、吹奏楽部の人達がいた

席につき、入学式が始まった。校長先生の長い話を聞きながら、学校を見渡した。
校歌にステージ。

小学校との空気の違いがわかった。

入学式が終わり、教室に戻ると皆緊張がほぐれたのかこわばった空気がなくなり友達などと話している

前仲の良かった友達と離れてしまい、どうしようかと思っていると聞き覚えのある声が聞こえてきた

「優ちゃんっ!」

振り返ると小学校の頃たまに遊んでいためいながいた

「あっ!めいなちゃん!同じクラスやったんやぁ!」

「そうやよ!しかも席斜め笑」

今まで緊張していて気づかなかったが斜めということを聞き、話が盛り上がった

「これからよろしくね!」

「うん!」

私はまだその時、めいなの裏に気づかなかった。
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