君に出逢い、初めて愛を知った
第1章 最愛の母の死

第1節 若き日の優湊

辛い過去と言う悪夢

「お母さん、何でいなくなるの。」

優湊は、いつも、この言葉を繰り返す悪夢を、見る羽目になる。

優湊が3歳の時に、両親の離婚で、母、兄姉と生き別れた。

具体的には、最初は、兄と共に、母元で暮らしていた。

父元にいた、姉のワガママで、母を求める優湊と姉が、トレードされ、姉が母に、まだ赤ちゃんで、母を必要とする優湊が、父と暮らすことになった。

それ以来、21年近く、母に逢ってはいなかった。

いや、逢わせてくれなかった。

父が怖い母にとって、優湊との再会なぞ、どうでも良かったのである。
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