課長、ちゃんと聞いてください。
課長、ちゃんと聞いてください。







「おーい、五十嵐!

こっちこっち〜!」






金曜日の夜9時。




真っ赤な顔のサラリーマンたちがわいわい騒いでいる、チェーンの焼鳥屋。




店内の一番奥のテーブル席で、懐かしい顔がこちらに向かって手招きをしていた。







「わ〜ぉ、お久しぶりだね〜、佐々木〜」






数年ぶりに顔を見た学生時代の仲間に手を振りながら近づくと、すでに集まっていたメンバーが笑顔で迎えてくれた。






「あいかわらずのんびりしてんなぁ、五十嵐は」






「え〜、そーぉ?」






「大学ん頃となーんも変わってないし。そんなんで、ちゃんと社会人やれてんのか〜?」






「うはは〜、まぁ、ぼちぼちね〜」






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