私だけの魔法の手。
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「よろしくお願いします!」

会社の最寄駅の、地下鉄からの階段を上がった所で、元気な茶髪の男の子にビラのようなものを一枚差し出された。
条件反射のようにそれを受け取って、会社に向かう道すがら、そのビラに目を向けた。




「あ、新しい美容院ができるんだぁ…」

会社の最寄駅から近い場所に、カフェかな?って友達と話していたオシャレな建物。
ビラというか、新規オープンの広告らしきものにある地図の示す場所は、一年くらい前から建築中のままだった場所。




「わ、これって超有名店じゃん」

思わず素で呟いてしまうくらいには驚く、雑誌とかでよく見るお店の名前が書かれていた。






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