わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
イリグチ






『昨日、佐久間詩野が亡くなった』


先程のホームルームで担任が告げたその言葉。


その時私は、特段何かを思ったりはしなかった。


サクマシノ…クラスメイトの一人。
そろそろ潰れるかと思ってはいたが、自殺とは。


まためんどくさいことをしてくれたもんだ。


「明美~!あいつ、明美の言う通り潰れたねっ!」

「そうね…ってことで、賭けてたジュース奢ってよ?」

「ふぇーい」


小学校からの友達、真理が口を尖らせて返事をする。


さて、佐久間が潰れたのはいい。
だが…これでいじる相手がいなくなったわけだ。


「なーんか退屈ね~…
佐久間の泣きじゃくる姿、結構見物だったのに」

「ほんとほんとー!次は誰がいいかな…っ痛ぁっ!」

「真理ってほんとバカだよなぁ。
大声で言うことじゃねーだろ」


少し思考回路が幼いと思われる真理の頭を軽く叩いた広樹が、呆れ顔で席につく。


「広樹もバカだよね?」


広樹の前の席には、広樹と一緒に何処かへ行ってきたらしい黒縁メガネの智哉がいる。


智哉の突っ込みは最もだと思うよ、私。


「あれ、ここあは?」

「腹痛で保健室。
あれ絶対演技だと思うけどね」


心愛と幼馴染みの智哉が答える。


名前からしてキラキラ~って感じのここあと名前からして勉強できます~って感じの智哉は端から見て妙な組合わせではあるが、実は案外いいコンビ。


ここにいる私含め四人と、あと仮病で保健室にいるここあは高校生活を共にする所謂(いわゆる)『仲良しグループ』と言うやつ。


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