わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜
トツゼン



「え………狛くん、知らないの?」

「………あぁ、全然」


そうそっけなく答えたのは、今日転校してきた黒田 狛くん。


学級委員の私は今、狛くんに学校を案内している途中だ。


昨日までこの高校は休校だった。


話題は、その理由について。


「結構ニュースでもやってたと思うんだけど…」

「…俺、テレビ見ないし」


そ、そうなんだ………。


ニュースを見ないって言うならわかるけど、テレビ自体を見ないなんて珍しい…って言うか、変わってる…。


「………えっと…。


これはおよそ…1ヶ月前の話。

私のクラスメイトの、佐久間詩野という女の子が自殺したの」


「………自殺?まさか、それが理由とか言わないよな?」


「うん、違うよ。

それから、その佐久間さんをいじめていた5人…明美さん、真理さん、ここあさん、智哉くん、広樹くん。

この5人が行方不明になってしまった…


あ、ここが理科室ね。
人体模型とか色々あってちょっと怖いから、準備室には入らない方がいいかも」


何も知らずに理科準備室に入って、振り向いたら目の前に人体模型…という経験があるのを思い出して付け足す。


あれは本当…怖かった。


もう1年も前の事なのに、今でもはっきり覚えてるくらい。



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