いつでも逃げられる
下校→拉致
夕日が眩しい。

放課後の学校。

私は帰り支度を済ませて下校の途につく。

…勇作は今日も、他の女の子とのお喋りに興じている。

いつもの事だ。

アイツは、付き合って下さいと告白してきた三日後から、平気で他の女の子といちゃつくようになった。

最初はイライラしてヤキモチを妬いたり、拗ねて文句を言ったりしたものだ。

でも、そんな可愛らしい嫉妬も最初のうちだけ。

一ヶ月もすると、彼の軽薄さに嫌悪を感じるようになり、三ヶ月もすると嫉妬すらしなくなった。

残ったのは、冷ややかな視線で一瞥するだけの冷たい感情…。

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