キス魔なアイツ
余韻


まただ…腫れてる。

私はいつの間にか寝ていた自分のベッドの上で、右手を口元に当て、ため息を吐いた。

最近、飲み会の後に必ず残るソレ。

記憶を飛ばす勢いで飲んだ後に残る唇の違和感。

私を悩ましている跡。

いったい私は誰とキスしたんだろう。

私ってもしかして…酔うとキス魔になるの?

でも、なんとなく自分じゃない気がする。

いつも同じ唇にキスされているような、自分もそれを受け入れていたような、幸せな気持ちも…、漠然とそんな余韻だけが残ってる。

でも…誰と?

あ~、思い出せない。頭も痛い。最悪だ。


< 1 / 30 >

この作品をシェア

pagetop