写真を撮って
河川敷にて





*…*…*




「………あ」


………またいた。


私の視線の先には、河川敷にて一眼レフを持ち、そこらじゅうを徘徊する怪しい『おにーさん』。


「なに撮ってるのー?」


私が後ろから声をかけると。


「…………秘密」


振り返り、地面を見ながらぼそりと答え、また歩き始めた。


「ねぇー、教えてよー」


駆け寄って隣に並ぶと。


「………君には関係ないでしょう」


またこっちも見ずにぼそり。


…………愛想の無い人。




この自称25歳カメラマンの男の人は、リアクションの薄い、とにかく怪しい人だ。




…………しかし、私はそんなおにーさんに、秘かにべた惚れだったりする。




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