おばあちゃんと夢
はじめ
 


1927年、田村カネは生まれた。


18歳で終戦を迎えたカネには漆芸家に父を持つ林富蔵と言う許婚がいた。


しかし、彼は徴兵として中国のハルピンに出兵していた。


終戦したが今だ帰らず。


諦めていたが翌年、彼は無事帰国してきた。


1947年、激動の日本の片田舎で2人は挙式を挙げた。


10歳年上の富蔵もまた、親父の後を継いで漆芸家の道を歩んでいた。


戦争によって5年間のブランクが有ったものの、直に感を取り戻し、地道に作品を作り上げていった。


妻のカネもそんな職人肌の夫を支えていった。


5年後には長男靖男も生まれ、質素だが幸せに暮らしていった。


息子の靖男もまた、毎日父の背中を見てすごして行ったお蔭で、いずれは漆芸家の道を歩もうと決心していた。  
  

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