『仰せのままに、お嬢様』《完》
第一章

1 彼は雪と共に

     ☆☆☆☆☆



ピピッ、ピピッ、ピピッ。


軽やかになるアラームの音で、
あたしはぼんやりと目を開けた。


(あれぇ? どうして
アラームぅ?)


たしか今日は、2月5日の
日曜日のはず。

休日はちょっとだけお寝坊
したいから、アラームは
かけてないはずなのに……。


……と、頭の中でそこまで
考えて、ようやく思い出した。


そうだ。そういえば昨日の
夜、パパに『明日は用事が
あるから早めに起きろ』って
言われて……。


詳しく教えてくれないから
理由はわからないまま、
とりあえずアラームをセット
したんだった。


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