ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
プロローグ
「ね、メイ大丈夫? ほんとにひとりで帰れる?」


……気持ち悪い。


親友のホナミの問いに答えるのも億劫なくらいに。

胃がぐるんぐるん回ってる。


だけど新婚ホヤホヤカップルのマンションに泊めてくれだなんてさすがに言えない。

ただでさえ週末の貴重な時間に家に乗り込んで、延々ヤケ酒に付き合わせたというのに。


だから私は大丈夫、の意味を込めて軽く手を上げて無理やり立ち上がった。

ぼやけた視界に心配そうなホナミの細面が映る。


心配してくれる存在がいるだけ私はシアワセだ。

シアワセ、シアワセ。


そう自分に言い聞かせた。

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