彼女はきっと振り向かない
1st. はじまり



「ねえ、響、キスしてよ」




潤んだ瞳。紅潮した頬。
俺を突き動かすには十分な刺激だった。

俺は言われるがままに彼女に口づけた。



そのとき、


ガラガラッ


「きゃ」



空き教室であるここの扉が開いた。
そして、女の短い悲鳴。




「さ、相良くん!こんなとこで・・・何やってんの!」



あ よく見たらうちのクラスの学級委員長・杉野さん。





「ちょっとなんなの、アンタ」


さっきまで俺を誘惑していた彼女の態度が一変。



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