青い向日葵
1



爽やかな5月の風が校舎の屋上を通り抜けるたびに、さらりと頬をかすめていく。


学ランのポケットに手を突っ込みながら空を仰ぐと、恐ろしいほどに真っ青だった。


この何もない空を眺めただけで、なんだかかったるい。


まあ。だからと言って引きこもるつもりもないが、真面目に授業を受けているのも息苦しい。


いつの間にか、屋上(ここ)が俺の居場所になっていた。


ため息がひとつ漏れる。


いつの頃からか、生きている実感がしなくなった。


毎日をなんとなく過ごしていて、ふわふわとして地に足がついていない感じがする。


自分もいつかは大人になるなんてことも、想像ができない。


思い描く未来には常にもやがかかっていて、色がない。

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