何度忘れようとしても
prologue
田舎の私鉄が走る小さな無人駅

会社帰りのサラリーマンや
学校帰りの高校生に紛れ
改札をぬける

駅前にはベンチが2つあり
私はその1つに腰を掛けて
いつものように彼が来るのを待つ事にした

季節は秋
もうすぐやってくる過酷な冬の前の
色鮮やかさを楽しめるほんの短い穏やかな時期

しばらくすると
踏切の電子音が聞こえて
私が乗ってきた逆方向から
ホームに電車が滑り込んだ

この電車に彼が乗っている・・・

少しだけドキドキしてベンチに座り直した









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