One Night Lovers
1.強烈な出会い
 占いって本当に当たるんだろうか?

 新幹線の車窓から、後方へと勢いよく流れていく街並みをぼんやり見ていると、やっぱりあの占い師の言ったことは嘘っぱちじゃないかと思う。


「アンタ、最近失恋したね?」

「はい」


 まぁ、失恋したことを当てるくらいは簡単だと思う。

 私の顔はいかにも泣き腫らした後で、やる気のない服装とメイク、

 そしてぼさぼさに伸びきった髪の毛は寝ぐせもそのままだった。

 誰がどう見ても失恋したか、あるいは失業したかと思うに違いない。

 占い師の女性はその私の顔をまじまじと見つめながら言った。


「うん、この失恋はアンタの人生の中でも最大の失恋だ。だけどまだ人生捨てたもんじゃないよ。……ん? アンタ、近々いい男に出会うよ。それも今までのタイプとは全然違う男だね」

「はぁ。それで、その男と出会って、私はどうなるんでしょうか?」

「これは……何というか、恋なのかねぇ?」

「え?」

「まぁ、いいことがある。でもその先はまだ誰にもわからん」
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