曇り声
曇り声


全てが偶然に
運命が回っていた。


人が沢山いるこの広い世界
もう二度と会えない人達で
溢れかえっているだろう。


巡り合えたのは偶然で
もう二度と会えなくなるのは
当然ともいえるのに、



私は君に恋をした。



少し鼻にかかった
優しい声の君に。


まるで寝起きのような
ふんわりした口調で
君の声がまるで曇のよう。



曇り声だね
私が言った。
曇り声かな
君が言った。


その曇り声で
名前を呼ばれ
その曇り声が
頭から離れなくなった。



好きになった。



君の発した声で
始まった私との関係。


君の声が愛しい。


 
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