金色の師弟
境を挟む師弟

夜に包まれ静まり返った修練場で、風を切る音が辺りに響いた。

しかし、それも一瞬のうちに風の音に掻き消される。

続いて、修練場に生えている一際目を引く巨木に矢が突き刺さった。

その先端には、一枚の葉。

「……ふぅ」

暗闇に意識を集中していた少女は、矢の刺さる音を確認し、肩の力を抜いた。

闇に紛れることのない美しい金色の髪を高い位置で団子にし、纏めている。

真っ直ぐに標的を見据える瞳は澄んだ空色。

少女と女性の中間に差し掛かった少女の横顔は、凛々しく少年のようでもある。

その少女、名はルイ。

十六歳で王国の兵に志願し、一年で王子の近衛兵へ選抜された優秀な兵であった。

< 1 / 687 >

この作品をシェア

pagetop