なえる
なえる
 みよしは子供が嫌いだ。

 その理由は子供がうるさいからということでもなく、みよしに母性がないわけでもない。

 姉の子供たちを見ていると自然に笑顔になるし、一緒に遊ぶと優しい気持ちにもなれる。

 だから、嫌いと言ったら大袈裟かもしれない。嫌いというより、みよしの心に迫りくるものはせつないという感情だった。

 たった一つの言葉を子供が口にするだけで、みよしは子供というものが憎くなる。
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