逢いたくて
限界と光

いつもの別れ

「咲…もう帰らないと…」

そう言って困ったようにおでこにシワを寄せる…

『いや…』

一度でいいからそう言ってみたいけど彼の痛みを思えばそんなわがままは言えない…

それに私は彼に甘えられるようなタイプじゃない

もしかしたら彼は甘えない私が好きなのかも知れないし…

「そうですね。私は休んでからでます。」

結局いつものように彼は急ぎ足で支度してホテルを出た

そして私はいつものように彼の背中を見送る


彼は…私が勤める会社の社長

私は彼の秘書

この関係はもう3年も続いている


江藤 譲(ゆずる)33才·既婚者
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