今だけそばにいていいですか?
今だけそばにいていいですか?
それは、全くの偶然だった。
会社帰りの道、ふと新しく出来たパン屋さんの前で足を止めた私の前で更に足を止めた人物。
一緒に看板を見上げ、視線が交差した時に声が出た。
「先輩?」
「ありさ……ちゃん?」
高校時代、新聞部で一緒だった先輩。
密かに片思いをしていた先輩だ。
もう会う事は無いと思っていたのに。