トビラの向こう側
汐里の日常


「おいで」


私は素直に彼の腕の中におさまった。


彼は額に瞼に頬に唇をおとす


最後に唇に彼の唇が重なる


私は深いキスに酔いしれていく……。

これは夢。


でも……私の記憶。

目の前の貴方が少しずつ霞んで


もうじき夢から覚める


「待ってまだ行かないで」


彼に手を伸ばす。


彼は切なそうに微笑むと消えてしまった。

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