狼系王子とナイショの社内恋愛
◇「この後の予定は?」



『碧衣、ごめん。本当に、ごめん……』

付き合って二年目の記念日に、ただ別れてくれと頭を下げられた。
せめて理由を教えて欲しいと何度も言ったけれど、優輝は謝罪の言葉以外は口にしてくれず、結局私が折れるしかなかった。

別に、記念日だからって特別気合いを入れていたわけでもないけど、行ってみたいなと思えるちょっと高級なレストランとかあったし、せっかくだからって誘ってみようとも思ってたのに。

よりによって、そんな日に別れを告げる事ないじゃない。

驚きとショックのあまり感情すら忘れてしまって……。
別れたくないって引き下がる事もできなかった。

それが、先週の事。


「――じゃあどういうのがタイプなの?
今日のテロリスト集団にはありとあらゆるタイプのイケメンが揃ってたでしょ!
まさか地球外生命体がタイプとか言い出さないでよね!」

高校時代からの友達の志穂が怒ったような顔で聞いてくるから、苦笑いして目を逸らす。


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