善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
身近ナ悪党。





職場の同期の大貴と付き合って、今日で3年が経った。





『お祝いをしよう』と大貴が言ってくれて、今日は大貴が予約してくれたレストランでお食事。






・・・・・・大貴、無理してくれたなぁ。 超高そう、ココ。






「藍、美味しい??」





何となく申し訳ない気持ちになっているワタシに、大貴が優しい笑顔で問いかける。





勿論美味しい。 こんな高級そうなレストランの料理が不味いワケがない。






「うん。 お・・・・・・お??」





『美味しい』と答えようとした時、大貴の斜め後ろのテーブルに見覚えのある2人組が座った。





完全に見てはいけないものを見てしまった。





慌てて髪の毛で顔を隠す。






「どうした??」





大貴が、ワタシの怪しい行動に半笑いになった。





「大貴、メガネ!! メガネ貸して!!」






「藍、コンタクトしてんじゃん。 オレ、メガネ外したら何も見えないじゃん」







「じゃあ、ワタシはどうやって顔隠せばいいの!??」






大貴はいいよ、あの2人に背向けてるんだから。 ワタシはどうしたらいいんだよ。
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