【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
ドキドキを貴方へ。

--季節は12月。

空を見上げれば、澄み切った夜空からフワフワと舞い降りるいくつもの白い物。
それが町中を埋め尽くすイルミネーションに照らされ、キラキラと輝いているようにも見える。


”クリスマス一色”


その言葉がピッタリ当てはまると思った。

家族のいる人や、カップル。

勿論、そうでない人にだって…。

何かのキッカケになる特別な日になるかもしれない。


きっと、沢山の人がこのイベントが待ち遠しくて仕方が無いんじゃないかな。



「ふぅ~~…。」



ヒュ~とヒンヤリとした風が頬を掠め、首筋を温かく包み込むピンクのマフラーに、冷たくなった手をそっと忍び込ませた。



…そういえば、あの時。俊也さんビックリしてたっけ。



就職と同時に髪を切った私。

ショートカットにした私を見て、眼を丸くしてた姿を思い出す。
男の子っぽくならないか少し不安はあったけれど、結果、そんな風にはならなくて。



”『似合ってる!可愛いっ!』”



そう言って抱きしめてくれた先生。

勿論、その言葉は凄く凄く、嬉しかった。



…だけど…。



「くみぃ~。」

「あっ!俊也さんっ!」

< 1 / 37 >

この作品をシェア

pagetop