僕、ギャルと付き合います。
黒ギャルにも幸せな愛を
由梨を送り出した二人は、ゲームセンターの自販機の前で飲み物を選んでいた。


信樹はブラックの缶コーヒーを、
黒ギャルはミルクティーを選び、
信樹はそれを買うと、黒ギャルに手渡した。


「ありがとう」


「いいえ」


黒ギャルはミルクティーを受け取ると、
柄にもなく素直に礼を言った。


「由梨ちゃん、間に合ったかなぁ?」


缶コーヒーを一口飲んでから、信樹が心配そうに呟く。


「どうして?」


「えっ!?」


「どうして由梨を行かしたん? あんた、
由梨のこと気に入ってたんちゃうの?」


「まぁな」


「じゃあ、なんで?」


「フッ。あの子は俺じゃないやろ?」


信樹はそう言ってやさしく微笑んだ。


きっと信樹はわかってたんだ、
ずっと前から大和の気持ちを。

そんな信樹の笑みが、
黒ギャルには親友を思いやるものに見えた。




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