渇いた詩
正体
久弥と想いが通じ合った土曜日は一日中ベッドの上で過ごし、


ときに甘く、ときに激しく、


お互いを求め合った。


次の日の日曜日、急に久弥に仕事が入ったためあたしは寂しさも残りつつ家に帰宅。


久弥の家を出る際に「いつでも連絡して」と久弥と携帯番号とメールアドレスの交換をした。



家に帰ったらお母さんの質問攻めにあい大変であたしはすぐに自分の部屋へ逃げた。


その日の夜、久弥からメールがきた。



【仕事終わった】


【遅くまでお疲れさま】っと、送信。


【疲れたぜ……でも桜ちゃんとエッチすれば元気になれる。グフフ】



「……バカじゃない」



呆れながらもどこか嬉しがっている自分がいる。



携帯とにらめっこをしていると今度は着信用のメロディーが鳴った。



液晶画面には【着信:海藤久弥】の文字。
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