リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
『甘々』・5(野球)
思い出せば、いつも彼の言葉からはじまっていた。

最初は春の体力測定が終わった後、運動神経が良かったわたしに、彼が声をかけてきた。

「なあなあ、野球部のマネージャー、してくんない?」

「えっ?」

運動部に誘われることはあっても、マネージャーに誘われることは今までなかった。

ウチの学校の野球部は正直言って、そんなに強くない。

そのせいか部員もギリギリで、マネージャーなんて今まで存在すらしていなかったらしい。

男所帯のせいで、部員達の士気も下がっているし、部室も大変な状態になっているらしい。

家事や誰かの世話をするのには慣れていたので、わたしは引き受けることにした。

彼の熱意に負けたというのもあるけど…。

一生懸命に頼み込んでくる姿が、ちょっと可愛いと思ったのもあるかな?

とにかく、わたしは彼の所属する野球部のマネージャーになった。
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