歳の差レンアイ、似た者同士。
第1章 宇宙人との遭遇。

プロローグ

“秀介、お前は将来何になりたいんだ?”



“サラリーマン!!”




“サラリーマン、か。父さんやじいさんをガッカリさせるんじゃない。お前は医者になるんだろ?”




“…サラリーマン!!”




ガキの頃からサラリーマンになるのが夢だった。

小学校の担任には、変な顔をされた。

サラリーマンのどこが悪いんだ?

日本を支えているのはサラリーマンじゃないか!?




そもそも、そんなことを言い出したのには訳がある。




オレの家は、そこそこ名の知れた病院をやっている。

先祖代々、医者の家系。

生まれた時から、オレは医者になることが決められていたんだ。

家族だけならまだしも、親戚から近所のおしゃべりババアまでもが、口を揃えて言う。

“秀ちゃんは将来、立派なお医者さんになるのよね!”

誰が医者になるなんて言った?!?!

ざけんじゃねぇ!!



子供ながらに、大人の事情ってのもわかっていたけど、かすかに抵抗したくて“サラリーマンになる”なんて言ってたわけよ。



そして、今。

オレはサラリーマンになっている。

……医者の。




< 1 / 79 >

この作品をシェア

pagetop