こんなに好きなのにっ!!
背負う痛み
【悠都】



バカだろ。



俺、バカだろ。



まぁわかりきったことだったけど…。



あのユナにキスをした夜、何事もなかったように顔を合わせた次の日。



倉市とユナを一緒に連れて琴里を最初に送った。



次に俺とユナがマンションへ帰り、気まずいエレベーターの中は無言だった…。



『悠ちゃん、昨日の…』

『なんのこと?』

『なん…でもない…』



バカだろ、やっぱり。



さすがに最低な俺!!



関心しちまうわ。



その日からユナとは顔を合わせていない。



倉市の姿を見かけると胸が痛くなって…。



なぜか琴里に異常なほど優しくなってしまってる。



絶対バカ。



俺、めっちゃバカ!!



「ハァ~…」

「知ってる?ため息つくと幸せって逃げるんだって」

「らしいな…」

「まぁ悠都の悩み、察しはついてるけど」

「は…?」

「ごめん、見ちゃった」



屋上で一緒に授業をサボってた流星からとんでもないカミングアウト。




< 121 / 301 >

この作品をシェア

pagetop