極上な恋をセンパイと。
戸惑いを残して


「ま、ここでこうしててもしょーがねぇ。とりあえず行くぞ」

「へ?い、行くって……」



あたしの持っていた荷物を抜き取ると、センパイはさっさと歩いて行く。
慌ててその後を追って、エレベーターに乗り込んだ。



あたしの前に立つセンパイ。

密室で、センパイの甘い香水の香りがあたしを包み込む。



センパイはどう思ってるの?
あたしと同室って……。

ジッとその背中を見つめてみる。

襟足がいろんな方向に跳ねてて、なんだか可愛い……。



「……」



かあああ。

あたし、何見てんの。


センパイとあたしはただの同僚なんだから、それ以上でもそれ以下でもない。

足元に視線を落として、小さくため息をついた。

……あ、センパイの靴。綺麗に磨き込まれた革靴。
当たり前だけど……
足の大きさ、全然違うな……。



たどり着いた部屋は白と黒を基調とした、洗礼されたオシャレな部屋だった。




「わぁ! 素敵ですね」



窓から見る夜景もとてもきれいで。
パリの駅がここからよく見えた。



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