+Black Blood.
heidenroslein.

6



数日後。


その日は天馬は本社に戻り、使用人や社員の一部も本社側に連れて行かれ、此処の分社は数人の使用人とゼロとイチジクのみだった。




「匂う」

「なにが?」


朝から眠気眼の無花果が零に発した第一声だ。



「部外者の、匂い」


「犬じゃねーんだからんな事ある訳・・・

イヤ犬みたいなモンか」

「あ?!」

「何でも無ぇ」



(ま、無花果が言うんだから今日は注意しないとな・・・・・・実際に狙われやすい日付だし、野生の勘はずば抜けてるみてぇだし)


零も、気を抜かずに神経を集中させた。



「飯食った?」

「ん」



いつも通りに狩って、いつも通りに過ごせるかと思った今日。





それは、遠い過去になる。








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