君に溺愛。【短】
***









――カラン、









店内に入れば、ふんわり香る甘い香り。


「あ、いらっしゃい凜(リン)ちゃん」



いつ見ても綺麗な店長さんが
いつものように優しく微笑んでくれるのに、私の視線は正反対の方向一点に集中。





「………あれ?」










私の視線の先。





可愛らしい雑貨屋で
可愛らしい女の子に
可愛らしく腕をくまれてる男の子。





無造作に立てられた茶色い髪に
分けてほしいくらい綺麗な顔立ち。
耳にはピアスがいくつも光る。






このお店で明らかに目立っているその男の子はやっぱりどうみても、


『今日バイトだから』


そう言って先に帰った私の彼氏、
京(キョウ)くんだ。







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