透明な水
第二章
最近あまり眠れない。

光一朗は暗い天井を見ながら思った。

あまり眠れないくせに、朝早く目覚めては、海へと釣りに出かけている。
ある日突然に、明日見に再会出来る気がして…

明日見と別れてから、老けたような気がしていた。
笑う事もなくなったし、料理も前ほどしなくなった。

去年、明日見の祖母の誕生日に墓参りに行ってみようかと思ったが、ばったり明日見に会ったら、どうしていいのか分からず止めておいた。


光一朗はゴホゴホと咳をした。風邪がなかなか治らない。

やっぱり、歳をとったなと苦笑した。
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