運命に導かれて
第7章


ジェシカが滞在して3日目。


今日はジェシカの父親も城を訪れ国王に挨拶をし、ジェシカとともに帰路に着く予定になっている。




結局羽衣の涙の理由もわからないまま、ジェシカのせいでルカは羽衣の顔を見に行くことすら叶わずにいた。



ジャンもあれから羽衣の部屋を何度か訪ねたが部屋に入ることさえできない。



アリーによれば羽衣はここに来た時のような、いやそれ以下の状態で何も口にはしない為、無理やりに水分だけを飲ませているという。



しかも今まで一度も口にしなかった『帰りたい』という言葉をしきりに漏らしているという。



ルカにも羽衣の状態を耳に入れてはいるが、今動くことができない自分自身に苛立ちを隠せないようだった。



「やっと、やっとあいつが帰る。これで羽衣のところにいける。」



「はい。その前にアーロン様が談話室でお待ちですから。」


「わかってる。行くぞ。」

アーロンはジェシカの父親だ。この父親も曲者で、ルカはジェシカのこともあり顔もみたくなかったが、これもひいては国の為、ならば早々に終わらせようと急ぐ。










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