愛して。【完】
*four*

ホテル街






【光side】




俺の視界には、怪しく煌びやかなホテル街。


沢山のカップルが絶えることなく歩いている。


そんな中で、男二人の俺と虎太郎。


異質な物が、そこに迷い込んでしまった様に。


まるで、みにくいアヒルの子だ。


綺麗な中に、紛れ込んでしまった異質な物。


ホテル街はカップルだけではなく援交なども行われることがあるし、綺麗だとは言えない。


だけど、どこからどう見ても俺と虎太郎が二人で来るような所じゃなくて。


どうしようもなく、居心地が悪い。


水川真梨はいつもこんな所で毎回違う男といるらしいが……


どういう、気持ちなのだろうか。


考えても仕方のないことなのに…


考えてしまう俺がバカみてぇに思う。


いや、バカなのかもしれねぇ。


でも…


綺麗に見えるこのホテル街の裏に広がる、真っ黒な闇を見ているであろう水川真梨は、何を思ってここに来るのだろうか。




アイツの闇を知ろうとは思わない。


知りたくもない。


でも…


なぜか、気になって仕方がなかった。






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