Blood smell 2
新生活
「…え…。」


ん?


「冴、時間だ。
起きろ。」


重たい瞼を開け
焦点の定まらない視界に入ってきたのは
キャラメル色の髪


そして
思わず鳥肌が立つくらい
冷たい指先が
頬を滑って行く


「ん…修二…?」


クスクス
「寝ぼけてるのか?
ほら、急がないと本当に遅刻するぞ。」


すがすがしい朝には
似つかわしくない
妖艶で美しく
冷たい声に


私は
大きく体を伸ばし
起き上がった



「おはよう。」


「おはよう。」


挨拶をすると
そっと頬に冷たい唇が落ちる


そして
私の髪に顔をうずめて
修二は大きく息を吸い込んだ


彼曰く
私の香がたまらなく好きらしい


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