モラトリアムを抱きしめて
抱きしめて
あの時のように、公園の真ん中に倒れ、仰向けになって寝そべってみた。

ひんやり冷たい地面の感触は、あの時のまま。

目の前には綺麗すぎる空が広がっている。

閑散とした誰もいない公園。

あるのは、いくつかのベンチと汽車の形をした遊具がひとつ――


……!

私はハッと気付き、体を勢いよく起こした。

この公園。

似てるなんてもんじゃない。


同じだ。



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