牛乳と猫スーツ。
6…夜の戦い。
「ハァ……ハァ………。」
出口の扉を見つけ、直樹はカードリーダーに近づく。
肩で息をする体を壁にもたれさせる。
外に出られる扉は4ヶ所あるが、既に3ヶ所から出ようとしたが開かなかった。
カードをリーダーに通す。
『この扉の警備ランクはAです。そのカードでは開くことはできません。』
システム音声が廊下に響く…。
「ここもかよ………。」
壁にもたれながら、ズルズルッと腰を落として廊下に座る。
どれだけ走っただろうか。
1時間くらい過ぎただろうか。
直樹はケータイを開いて時間を見る。10時12分。
30分くらいしか経っていなかった。
ただ扉を目指すだけならこんなにも時間と体力を浪費はしない。
隠れたり、遠回りしていたのだ。
『あるモノ』から逃げるため。
シャカシャカシャカ…。
また不気味な音が聞こえる。
「追いつかれたか……。」
……………………。
……………。
………。