運命に導かれて
第11章


羽衣は羽衣でルカが不在なのにカインとどう接したらよいものか考えあぐねていて


ただ隣国の王子を足蹴にできるはずもなく毎度の如く愛想笑いでなんとなく乗り切っていた。



しばらくはそんな日々が続いたが、カインも一国の王子。


公務だなんだと忙しいわけで……


久しぶりに顔を見せたその日


急に予定がキャンセルとなったルカと見事に鉢合わせしてしまった。



「お前、何しに来たんだ?」



「何って……ルカ、お前は今日大臣達と会合だっただろう。なんでいるんだよ。」



「ほぅ?随分と俺の予定に詳しいんだな、カイン。」




< 134 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop