ハーレム ブラッド
両手に華
数日後の放課後


いつもの様に咲子とクーニャに挟まれる幸大。


「ねぇ、幸大君?」

「ん?」

「今日、暇?」

クーニャが言う。


「基本的にいつも暇だ。」

「実は、今、うちにおばあちゃんが来ててね、幸大君に会いたいって。」

「クーニャのばあちゃんってことは…」

「もちろん、吸血鬼。」


「そうか。

咲子も一緒に行って良いのか?」


「まぁ…私としては不本意だけどおばあちゃんは蒼月の眼に会いたいって。」


「…。

私としては奇異の眼に晒されるのは嫌ですが、幸大さんの手綱はしっかりと握っとかないといけませんからご同行します。」

咲子が言う。

「手綱だなんて怖いよねぇ?」

クーニャが言う。

「いっそ本当に首輪でもつけましょうか?」

咲子が言う。

「目が本気!?


遠慮しとくっつーの!」

幸大が言う。


「あ…でも、私は幸大君になら首輪つけられてもいいかな〜。」

「な!?」


「想像して?

首輪をつけられて四つん這いの私が幸大君に鎖を握られてて…

私が眼を潤ませながら幸大君を上目使いでぇ…」

「ごくっ…」

幸大が生唾を呑み込む。

「幸大君に逆らえない私に幸大君が口では言えないあんなことやこんなことを次々とめいれいしてぇ…」

「逆らえない…命令…、」

幸大が妄想へと入りかける。


「そのまま電柱にぶつかってください。」

ゴンッ!

咲子の声とともに正気に戻った幸大は目の前にあった電柱に頭を打った。
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