何度忘れようとしても
CHAPTER Ⅲ
合コン当日、迷ったけれど久しぶりにワンピースを着た。
スタンドミラーで全身を何度も確認する。

程よく大人っぽい感じの上品なキャメルのワンピとラメタイツ。
一目惚れをして秋口に買ったのに、1度も着てなかった服。

ファー付きのコートを羽織って、玄関でブーツを履いた。
さっきつけたフレグランスの香りを手元から感じる。

バラの香りを基調としていながら、ちょっとフルーティーな印象も持つ香り。
さりげなく甘くて可愛らしいこのお気に入りの香りも久しぶりにつけた。
多分、孝昭との最後のデートの時以来だろう。

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