何度忘れようとしても
separation
孝昭からは『17時に迎えにいくよ』と朝メールがあった。
時間があるので、しばらくは実家でボーッとテレビを観たり、飼い猫と遊んだりしていた。

今日が本当に最後になるかもしれない。
でも、彼を問いつめたりしないであげようと思った。
変わりに、できるだけ楽しく過ごそうと決めていた。

あの頃、孝昭に優しくできなかった事をずっと責めてきたのだから今度こそ優しい私で居たい。
最後くらいは。
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