夫婦ごっこ
嫉妬
気が抜けた。
二人をバルコニーから見送って車が消えていった。


誕生日なのにどうしよう。
去年は悪い仲間たちがお祝いしてくれた。

ただ
「おめでとう。」だけだけど……。

街へ出かけてコートを探して お腹が空いたけど
一人だからどこにも入れなくて
一人分のケーキを買って帰った。

自分で歌を歌って一人でケーキを頬張った。

一人だと何もすることもない。
部屋だって散らからないし……
恒くんとだってそんなに話さないけど こんなに暇じゃない。

「あ~~ホント暇……。」

月曜日の夕方が待ち遠しい。

待ちにまった月曜日 恒くんの帰りを待ってた。
夕方 電話が鳴ると恒くんだった。

「千鶴さんのおとうさんが亡くなって…今 前を
待ってるとこ…。取り乱してて前が来るまで付き合うから。
帰りは夜中になる。」

一方的に電話を切った。

  え・・・・・

テーブルにならんだ恒くんの好物…。


「一緒に食べようと思ったのに。」

さっきケーキをまた買ってきた。

仕方がないことなんだけど 私は悲しくなった。
いいじゃんそんなことで
私ったら……

結局 恒くんが戻ってきたのは二時すぎだった。
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