何度忘れようとしても
CHAPTER Ⅵ
翌日の日曜日も天気が悪く、出かけるきっかけを失った私は1日中家で何をすることもなくボーッと過ごしてしまった。

一人で部屋にいると、昨日ここで起きた事が何度もリアルに蘇った。
そして高校の時に一瞬抱いた翔太に対する恋愛感情に似た気持ちが、ふたたび芽生えていくのを私は感じていた。

多分、孝昭の事を思い出す位なら翔太と恋愛をした方が自分にとってはいいんじゃないかという気持ちがそうさせていた。
情という体の魔法みたいな物に自分から支配されたいと望んでいたのだ。

そもそも私と恋愛するために、神様が近所に翔太を送り込んできたんじゃないか
と勝手に前向きな思い込みをしたりもした。

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