青い向日葵
9
一方、杉本は少し前に意識を取り戻していた。
しかし、俺は杉本に会いに行くことを躊躇していた。
杉本の母親が春野に言った冷たい言葉が脳裏に焼きついて、彼女が亡くなったことを、杉本に告げる勇気がなかったのだ。
もやもやとした気持ちで日々をやり過ごしていたある日、クラスの誰かが杉本の見舞いに行ったという話が聞こえてきた。
それを聞いて、俺はどこかほっとした。
あいつには、俺より仲のいい友達がちゃんといるじゃねぇか。
俺は、会いに行かない言い訳を見つけて、杉本から逃げた。