【完】キミがいた夏〜Four years later〜
■衝撃の告白■
side 渚
**side 渚**
美鈴の働く飲み屋を出て、家にたどり着いた俺は脱け殻だった
重い体を引きずるようにして寝室のベットに倒れ込むと、美鈴が言った言葉を頭の中で反芻していた
『いい思い出です』
美鈴が俺を受け入れる気がないことは、予想はしていたけれど
戸惑いもなく発せられたその言葉は
どこか無機質に思えて、現実味がなかった
いや…俺がただ単に信じたくなかっただけの話しかもしれない
でも
これでは終われない
俺はそれから1週間
どうするべきかを考えてそう結論を出すと、再び美鈴の働く『雛罌粟-hinageshi-』へ足を運んでいた
今度は一人で
もう綾香をこれ以上巻き込むべきではない