女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
第4章 奪取。

斎の異変。


 
 流石に、夕方には体がきつかった。

 重たい体をカウンターに預けて少しの間目を閉じる。・・・・私ったら、三十路なんだってーの。考えたら睡眠時間は3時間くらいだし、早朝部屋に戻ってからは家事をして、ご飯をたべてお風呂に入っていたので、結局寝てない。

 光に満ち溢れた部屋を見ていたら、その汚さに気がついてしまったのが運のつきだった。気になって仕方ないからと掃除を始めて、そのまま家事をしてしまったのだった。

 そして昼から出勤して―――――夕方の4時半現在、眠気で死にそうになっている。

 ・・・・ね、眠い。本当、もうすんごーく眠たい・・・。

 うおおおお~・・・・無理がきかないってことなんだわ、年を取るって。まだ20代の頃のように考えていたら、きっとすぐ倒れるんだな。

 しかも、売り場は暇だった。

 眠気も起きないくらいに忙しければいいんだけど・・・まあ、夏場にチョコレート菓子は、確かに選ばれないけどさ・・・。

 斜め前の斎が店長をしているクッキー専門店は、今日も大入りである。

 それを羨ましく恨めしく見詰めていた。

 ・・・・何であのバカ男は仕事もうまくいくのよ・・・畜生。

 出勤した時に一度目があったが、どちらも同じタイミングで目を逸らした。今朝になってもまだ「付き合おうぜ」などと言われたら、今度こそ足蹴りしてやろうと考えていたけれど、言われなかった。

 やはり本気なんかではなかったのだろう。


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